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犬の急性膵炎2020/11/08
今回はワンちゃんの「急性膵炎」についてのコラムです。
重症化すると、死に至ることもある怖い病気です!
●膵臓の役割
膵臓は食べたものを消化するための酵素を分泌したり、
インスリンなどのホルモンを産生する重要な臓器です。
●急性膵炎の症状
症状は様々ですが、「食欲不振」「元気消失」「嘔吐」「下痢」「腹痛」などがあります。
伏せの状態でお尻だけを上げる姿勢(祈りのポーズ)や体を丸める仕草がある場合、
ワンちゃんが腹痛を感じている可能性があります。
●どうして起こるのか
十分には解明されていませんが、何らかの原因で膵臓の消化酵素が自分自身を溶かし、
破壊してしまうことで炎症が起きるとされています。
重度の場合、炎症が膵臓に留まらず、膵臓の周辺臓器(胃や十二指腸・空腸結腸・肝胆道系)
に炎症が及び、致死的となります。
●リスク因子は?
・犬種(ミニチュアシュナウザー・トイ種・スパニエル種)
・年齢(6,7歳齢以降の中高齢に多いとされている)
・肥満
・基礎疾患(高脂血症・甲状腺機能低下症・副腎皮質機能亢進症・糖尿病など)がある
・食事(高脂肪食のあげすぎ)
などです。
●膵炎の治療
上でも書いたように、重症化すると多臓器に合併症が生じ、治療が難しくなります。
他の病気もそうですが、早期に治療を開始することが重要なポイントとなります!
・組織の循環を良くするための輸液
・嘔吐を抑えるための制吐剤
・腹痛を緩和するための鎮痛薬
などを組み合わせて治療を行います。
他にも、状況によっては抗菌薬や、近年開発された、白血球の働きを抑えることで
抗炎症作用を発揮する薬を使用することもあります。
また食事も膵炎の治療の重要ポイントとなります。
低脂肪食を、消化器症状に注意しながらあげていきます。
●予防策は?
高脂血症や肥満が膵炎発症のリスクを高めると言われているので、
脂肪の取りすぎに気を付けることは大事です。
過去に膵炎に罹った場合、再発の可能性もあります。
慢性化して「慢性膵炎」に移行するケースもあります。
食事に気を付けながら、日ごろからワンちゃんの状態をよくみておきましょう。