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子犬の病気とケア
1歳までの子犬はまだ体力や抵抗力が弱く、成犬になるとあまりみられない体調不良が起きたりします。
特に、3か月齢未満の子犬は、ペットショップやブリーダーさんの所から新しいおうちに迎え入れられてきて、まだ慣れない環境にストレスを感じたり、楽しくてついついはしゃぎすぎて疲れてしまったり。
おうちに来て1週間ほどは急に体調が変化する可能性がありますので、遊ばせすぎたりせず慣れたご飯をしっかり食べて、ゆっくり休む時間をたくさん作ってあげて下さいね。
子犬によくある病気
低血糖
生後3ヶ月までに多く見られます。 嘔吐や下痢が続くと命に関わります。
主な症状は、元気消失、沈うつ、意識消失、痙攣発作などです。生後3ヶ月までに多く見られます。消化管内寄生虫症、過敏性(ストレス性)腸症候群、感染症など、何らかの疾患がある犬が、長時間食事がとれない、または嘔吐や下痢が続いていると低血糖症を発症することがあります。特に小型犬では注意が必要です。
低血糖になると、命に関わることもありますので、嘔吐・下痢が続いている場合は、早目に病院を受診しましょう。もし、低血糖のような症状が見られた場合は、すぐに受診して下さい。その際、ご家庭でできる応急処置としては、砂糖水を口にふくませてあげて頂くか(この際、無理に与えると誤嚥する場合もありますのでご注意ください)、意識がない場合には歯ぐきや舌にすり込むように与えてください。ご家庭の処置で症状が改善したとしても、必ず受診して下さい。
嘔吐・下痢
子犬の頃は成犬に比べて胃腸が未発達なため、脱水や低血糖を起こしやすいです
原因としては、消化不良、細菌性疾患、ウイルス性疾患、寄生虫症、精神的なストレス、気候の激しい変化などがあります。子犬の時期は大人の犬に比べて胃腸の働きがまだ発達していないので、嘔吐や下痢をしやすい時期ではあります。
しかし「まだ小さいから仕方ない」「そのうち治るだろう」と放っておくと、そのうち脱水症状や低血糖を引き起こし、命に関わることもあります。治療が遅れれば遅れるほど、改善するのに時間や費用がかかりますので、早目に受診してください。ご家庭でも、胃腸の働きが発達していない子犬のうちは、ご飯を少量頻回に与えたり、お水も冷たすぎるものは控えていただく事をおすすめします。
ケンネルコフ(咳こみ)
犬の集団生活で感染しやすいですが、抵抗力の弱い子犬が感染すると他のウイルスや細菌にも感染しやすいので早めの受診がおすすめです。
ケンネルコフは、咳や発熱など、人間の風邪と似たような症状が長く続くため、「犬カゼ」と言われることもある伝染性の呼吸器感染症です。犬パラインフルエンザや犬アデノウイルスII型などのウイルスや、気管支敗血症菌といった細菌などが、1種から複数種、感染することが原因で起こります。感染は接触感染や飛沫感染で起こるため、犬が集団で生活する環境下では、1頭が感染すると、他の犬に次々と伝染してしまうことが多くみられます。通常、ウイルスの単独感染では軽い症状の場合が多く、ほとんどは1週間~10日前後で回復します。しかし、抵抗力の弱い子犬が感染すると、ほかのウイルスや細菌にも感染(混合感染)してしまうことも多く、そのうち食欲や元気がなくなり、高熱や膿のような鼻汁を出したり、ときに肺炎を起こして命に関わることもあります。ですので咳や発熱などのような症状が出た場合、早目に受診してください。吸入(ネブライザー)やお薬を飲ませてあげる必要があります。
ご家庭でできる対処としては、興奮させたりせず安静にさせ、充分な栄養を与えます。
他にケンネルコフと似た症状が出る子犬の病気としては、犬ジステンパーがあります。こちらは痙攣(けいれん)などの神経症状も示します。ケンネルコフやジステンパーの原因となるウイルスのいくつかに対してはワクチンが開発されているため、予防の1つとして子犬の頃からきちんとワクチン接種を行うことが大切です。
異物摂取
子犬は常に興味津々で誤飲してしまいやすいです。気付いたらすぐに受診しましょう。
わんちゃんは他の動物と比べると、おもちゃや、果物の種、ジャーキーの丸のみなど異物誤飲してしまうことが多くあります。
特に、子犬の時期は好奇心旺盛ですので、遊んでいるうちにパクッと食べてしまったり、お散歩中珍しいものを発見して口にしてしまったりと、ほんの少し目を離しただけで異物誤飲してしまうことがあります。
異物を摂取した場合に、ものが詰まる部位は主に「食道」「胃」「腸」の3か所となります。食道に詰まると、吐き出そうとする行動がずっと見られたり、食道のすぐ隣の気管を圧迫すると呼吸が苦しくなる場合があります。胃や腸に詰まると、頻回の嘔吐が続いたり、胃や腸の粘膜を傷つけてしまい、そのうち壊死して穴が開くと、腹膜炎を起こしてしまったり。異物摂取は放っておくととても恐いので、気づかれたらすぐに受診して下さい。
当院の特徴
根拠に基づいた治療
(Evidence Based Medicine)を行います
質の高い治療を行うためには、できるかぎり的確な診断をし、その診断に基づいた根拠のある治療が必要だと考えています。
インフォームドコンセントを
徹底します。
治療法は、強制するのではなく、出来るだけわかりやすい言葉でご説明し、様々な選択肢の中から、何が苦しんでいる動物たち、そして飼い主様にとって最良かを一緒に考えて決定します。
チーム医療で取り組みます。
質の高い治療は、一人の獣医師では、実践しがたいと考えています。それぞれの獣医師、看護師が得意分野を持ち、協力し合いながら診断、治療を行うことが、必要だと考えています。そして、なにより飼い主様のご協力ご理解無くして達成できないと思います。
飼い主様と私たちでチームとなり、三位一体で治療に取り組んでいきたいと考えています。
診療の流れ
ご来院
受付
受付に診察券をお出しください。
初診の方は受付にお申し出ください。
問診票にご記入いただき、看護師より詳しい状況の確認などをさせていただきます。
症状やお困りごとをお伝え下さい。
診察室
毎回必ず問診・体重測定・体温測定・身体検査(視診・触診・聴診)をしっかり行います。そしてその動物の状況を説明し、処置・検査を行います。
もし治療や検査が必要であればその必要性、そして費用なども説明させて頂きます。
飼い主様に十分ご納得して頂いた上で治療・検査に進ませて頂きます。スタッフ一同、患者さまの疑問に対してしっかり、お答えすることを目指しております。
検査
血液検査、レントゲン検査、超音波検査、心電図、皮膚検査、眼科検査、口腔内検査など
再び診察室へ
検査結果をお伝えした上で、動物の現時点での状況、予後、必要な処置、さらに精密検査が必要であるならばその必要性など、具体的にしっかり説明させて頂きます。
お会計と次回予約
治療によってお薬が必要な場合、処方します。お薬の内容、飲ませ方など診察室でご説明いたしますが、気になることがあれば受付にお申し出下さい。
ご自宅にて
ご帰宅されてからも、あらためて動物の状況、検査内容、お薬の内容・飲ませ方など気になることがあれば、お問い合わせください。