うさぎの毛球症の原因や症状、診断や治療法について|獣医師が徹底解説!|大阪府和泉市のいぶきの動物病院2024/12/19
大阪府、和泉市、堺市、岸和田市、泉大津市、和歌山県の皆さん、こんにちは!
大阪府和泉市のいぶきの動物病院です。今回は、うさぎに多く見られる「毛球症」の原因や症状、一般的な診断や治療の流れ、予防法などについて詳しく解説していきます。毛球症は、放置すると重症化し場合により命に関わる可能性ががあるため、早期発見と適切な対応や治療が大切です。
1.原因
毛球症(トリコベゾア)は、主にうさぎが自分の体を舐めて毛づくろいをする際に飲み込んだ毛がや異物などが、胃や腸に溜まってしまうことで発症します。またストレスや消化管の運動性が低下する状態なども原因になることがあります。以下が原因となります:
• 過剰な毛づくろい:季節の変わり目には抜け毛が多くなるため、うさぎは自分の毛を大量に飲み込みがちです。ストレスがたまると過度なグルーミングにつながるため、適度にストレスを発散させることも大切です。
• 消化器の機能低下:ストレスや食生活の乱れによって消化管の機能が低下すると、毛がうまく排出されずに溜まりやすくなります。
• 繊維質の不足:うさぎの食事には繊維質が不可欠で、不足すると消化管内の毛球が流れにくくなります。
• 異物摂取:
2.症状
毛球症の初期段階では、以下のような症状が現れることがあります:
• 食欲不振:突然食べ物に興味を示さなくなることがあります。
• 便秘または下痢:便の量や大きさの低下や、便秘が続いたり、逆に下痢を引き起こす場合もあります。
• 腹部の膨満:毛球やうっ滞した消化管内の液体やガスの影響で、触れると硬く膨らんでいる場合があります。
• 元気の喪失:腹痛や循環不全から、活動性が低下し、ぐったりとしていることが多くなります。
3.診断の流れ
以下のような診断手順を踏むことが一般的です:
• 問診:飼い主様から日頃の様子や症状の変化などを伺います。
• 触診:お腹を触って異常な硬さや膨満感がないかを確認します。
※問診と触診が最重要です。
• 画像診断(X線、エコー):胃腸内に毛球やガスが溜まっているかどうかなどを確認します。
• 血液検査:体調全体を確認し、他の合併症がないかを調べます。
※不整咬合などの併発疾患の判断も大切です。
4.治療の流れ
毛玉症の治療には、以下の方法が用いられます:
• 食事療法:イネ科の牧草や良質のペレットなど繊維質を多く含む食事を摂ることで、消化を促進します。
食欲の無いうさぎには、強制給餌を検討します。
• 内科療法:消化管の動きを改善するための薬や、整腸剤、食欲増進剤、必要性をみて抗生物質、痛み止めなどを投与します。循環の改善のための輸液も行うことが多いです。
• 場合によっては手術:重度の場合は手術で毛玉を取り除く必要があります。
5.予防方法
毛球症は予防が重要です。次のような対策を日頃から行いましょう:
• 適切なブラッシング:定期的にブラッシングを行い、抜け毛を取り除きましょう。
• 繊維質の豊富な食事:干し草や野菜などの繊維質を豊富に含んだ食事を与えましょう。
• 運動習慣:運動をすることで消化器の動きを活発に保ちます。
• 水分補給:新鮮な水を常に与えるようにしましょう。
• 毛球除去剤の投与:
• 異物摂取をさせない
6.最後に
毛玉症は早期発見と予防が重要です。もしうさぎが食欲不振や便秘などの症状を示した場合は、様子を見ている間に進行することもあるため、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
また、ブラッシングや食事等予防対策も大切です。
いぶきの動物病院では、飼い主様とペットの生活をサポートするため、診断や治療、予防策のご相談を承っています。お困りの際は、ぜひお気軽にご連絡ください。