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犬の咳の原因や症状、診断や治療法|獣医師が徹底解説!|大阪府和泉市のいぶきの動物病院2024/10/21
和泉市、堺市、岸和田市の皆さん、こんにちは🍂
大阪府和泉市にある、いぶきの動物病院です。
「最近、うちの犬がよく咳をしているけど、大丈夫かな?」
こんな風に不安を抱える飼い主様も多いかと思います。犬の咳には、軽度なものから緊急の治療が必要なものまでさまざまな原因が考えられます。
大切な愛犬の健康を守るためにも、咳の原因や症状、診断、治療について知っておくことは非常に重要です。
今回は、犬の咳について詳しく解説し、対応方法や予防策もご紹介します。ぜひ参考にしてください😄
1.犬の咳の原因
犬が咳をする原因は多岐にわたります。咳の音や頻度、状況によって、考えられる原因が異なることが多いため、しっかりと見極めることが大切です。ここでは、主な原因をいくつかご紹介します。
① 感染症
子犬の咳の原因で最も一般的なのが、犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)であり、犬の間でよく見られるウイルスや細菌が関与することで発症します。
症状は軽度なものから重篤なものまであり、自然治癒することも多いですが、放置すると肺炎などの合併症を引き起こすことがあります。
② アレルギー
人と同様に、犬もアレルギーによって咳をすることがあります。特に花粉やホコリ、カビ、化学物質に対して過敏反応を起こし、咳が続くことがあります。アレルギーが原因の場合、季節的な変動や特定の環境で症状が悪化することが多いです。
③ 気管虚脱
特に小型犬によくみられる疾患で、気管虚脱とは気管が正常な形状を維持できず、潰れてしまうことによって引き起こされる咳です。
軽度の場合はお薬や体重管理でコントロールできますが、重度になると外科的な治療が必要になることもあります。
④ 心臓病
僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病は、犬が咳をする原因の一つです。
心臓の機能が低下すると、血液がうっ滞し、拡大した心臓や気管を圧迫したり、肺に水分がたまることが原因で咳が発生します。心臓病は進行性の病気で、早期の診断と治療が非常に重要です。
⑤異物の誤食
犬は好奇心旺盛な動物であり、時には異物を誤飲してしまうことがあります。
異物が喉や気管に詰まると、反射的に咳が出ます。特に急激に咳をし始めた場合、誤飲の可能性を考え、すぐに動物病院を受診することが大切です。
2.犬の咳の症状
犬の咳には、いくつかの特徴的なパターンがあり、それぞれの咳が何を示しているかを理解することが重要です。
飼い主様が愛犬の咳を観察し、動物病院で適切に説明することで、診断がスムーズになります。
家での咳を動画として残し、獣医師に見せることが診断の助けになることもあります。
① 乾いた咳
乾いた咳は、ケンネルコフや気管虚脱、アレルギーなどでよく見られる咳です。咳が連続的に続き、乾いた音が特徴です。特に気管虚脱の場合、興奮時や運動後に咳が悪化することがあり、アヒルのようにガーガーいうこともあります。
② 湿った咳
湿った咳は、肺炎や心臓病が原因で見られることが多いです。肺に水分や粘液がたまることで、ゴロゴロとした音がすることがあります。こうした咳が見られる場合は、早急に診察を受けることをお勧めします。
③ 突発的な咳
突然、激しく咳をする場合は、異物が喉や気管に詰まっている可能性があります。急に息苦しそうにしたり、嘔吐を伴うこともあるため、誤飲が疑われる場合は早急な対応が必要です。
3.診断の流れ
犬が咳をしている場合、動物病院での診断が重要です。診断の過程では、まず飼い主様からの情報提供が大切です。以下に、一般的な診断の流れを紹介します。
① 問診
最初に行われるのは問診です。飼い主様から、咳が始まった時期や頻度、咳の音、発生状況などを詳しく伺います。
また、食欲や体重の変化、運動能力の低下があるかどうかも重要な情報です。
② 身体検査
次に、聴診器を使った身体検査を行います。咳の音や心音、肺音を確認し、心臓や肺に異常がないかを調べます。また、気管や喉の腫れや異物がないかを確認します。
③ X線検査
場合によっては、X線検査で胸部や気管、肺の状態を確認します。心臓が拡大していないか、肺に異常がないかなどを視覚的に評価することができます。
④ 血液検査
感染症や炎症の有無を確認するために、血液検査を行うことがあります。特にケンネルコフなどの感染症や肺炎、心臓病が疑われる場合、血液検査は重要な診断手段です。
⑤ 超音波検査
心臓病が疑われる場合は、超音波検査を行うことがあります。心臓の構造や機能を詳細に確認し、適切な治療方針を立てるための情報を得ます。
4.治療の流れ
診断結果に基づいて、適切な治療が開始されます。咳の原因によって治療方法は異なりますが、ここでは代表的な治療法をご紹介します。
① 感染症の治療
ケンネルコフなどの感染症が原因の場合、抗生物質や気管支拡張薬が処方されることがあります。軽度の症例では、安静と薬物治療で回復することが多いですが、重症の場合は入院して点滴やネブライジングの治療が必要になることもあります。
② アレルギーの治療
アレルギーが原因の場合、アレルゲンの特定が重要です。環境改善や、抗ヒスタミン薬、ステロイドなどの投薬治療を行い、症状を緩和します。定期的な管理が必要です。
③ 気管虚脱の治療
気管虚脱の場合、気管支拡張薬や抗炎症薬を使用し、気管を広げて呼吸を楽にする治療を行います。重度の場合は、外科手術が選択されることもあります。
④ 心臓病の治療
心臓病が原因の場合、心臓の機能をサポートする薬(強心薬、ACE阻害薬、利尿剤など)が処方されます。進行性の病気のため、定期的な検査と薬物治療で症状を管理していくことが必要です。
5.予防方法
咳を予防するためには、日常生活での適切なケアが重要です。
① ワクチン接種
ケンネルコフなどの感染症を防ぐためには、定期的なワクチン接種が有効です。ワクチンにより感染のリスクを減らし、愛犬の健康を守ることができます。特にドッグランやペットホテルを利用する際は、予防接種を済ませておくことが推奨されます。
② 定期的な健康チェック
心臓病や気管虚脱などの進行性の病気は、早期発見が重要です。定期的な健康診断を受けることで、症状が進行する前に対処でき、長期的な健康維持につながります。特に7歳以上のシニア犬は、年に1〜2回の検診を推奨しています。
③ アレルゲンの除去
アレルギーによる咳を予防するためには、愛犬の周囲から可能な限りアレルゲンを排除することが必要です。定期的な掃除や空気清浄機の使用、花粉の多い時期の散歩時間を調整するなど、環境を整えてあげることが大切です。
④ 異物の誤飲防止
誤飲による咳を予防するためには、家の中や散歩中に危険なものを飲み込まないよう、注意をすることが必要です。小さな物を床に置かない、散歩中にゴミや異物を食べないようにするなどの対策をしましょう。
6.最後に
犬の咳は、軽度な場合から深刻な病気のサインなど場合はさまざまです。
咳の原因や症状によっては、早急に対処することが必要な場合もあります。日頃から愛犬の健康状態をよく観察し、少しでも異常を感じたら早めに動物病院に相談・受診をすることが大切です。
当院では、犬の咳やその他の症状について専門的な診断と治療を行っております。
愛犬が咳をしている場合や、気になる症状がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
和泉市、堺市、岸和田市の皆さんと、その大切な家族であるワンちゃんの健康をサポートできるよう、全力でお手伝いいたします!
【いぶきの動物病院】 大阪府和泉市 電話番号: 0725-50-1000
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