犬の胃腸炎の原因や症状、診断や治療法|獣医師が徹底解説!|大阪府和泉市のいぶきの動物病院2024/10/18
和泉市、堺市、岸和田市の皆さん、こんにちは! 大阪府和泉市のいぶきの動物病院です。 すっかり秋らしい気候になりましたね。今回はそんな季節の変わりめに起こしやすい「犬の胃腸炎」について詳しくお伝えいたします。胃腸炎は犬がよくかかる病気の一つで、飼い主様にとっても見逃せない症状が多いです。本記事では、胃腸炎の原因や症状、診断の流れ、そして治療法までを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
1.原因 犬の胃腸炎は、さまざまな原因によって引き起こされます。主な原因として以下のものがあります。
1.1. 食べ物 犬が普段食べ慣れないものや、人間の食べ物を食べることで胃腸に負担がかかり、炎症が起こることがあります。特に脂っこい食べ物や刺激物、チョコレート、タマネギ、ニンニクなどの有害な食材は要注意です。
1.2. 感染症 ウイルスや細菌、寄生虫などの感染によって胃腸炎が引き起こされることもあります。特にパルボウイルスやジアルジアなどは、激しい下痢や嘔吐を伴うことが多いです。
1.3. アレルギー 食物アレルギーや環境アレルギーが原因で胃腸に異常が現れることもあります。特定の食材に対してアレルギー反応を示す犬も多く、アレルギーが原因で下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。
1.4. ストレス 犬も人間と同じく、環境の変化やストレスによって胃腸に不調をきたすことがあります。新しい家族が増えたり、引っ越しなどで生活環境が変わった場合や、旅行などで知らない場所に行った際にも、胃腸炎が起こることがあります。
1.5. その他 毒性物質や薬物中毒、内臓疾患(例えば膵炎や腫瘍)も胃腸炎を引き起こす原因となります。中でも、特定の薬剤が副作用として胃腸に影響を与えることがあります。
2.症状 犬の胃腸炎の症状は多岐にわたりますが、主なものは次の通りです。
2.1. 嘔吐 最も一般的な症状の一つです。突然の嘔吐が続く場合、胃腸炎の可能性があります。嘔吐物には、食べたものや胃液、時には血が混じることもあります。
2.2. 下痢 急な下痢や長期間続く軟便も胃腸炎のサインです。下痢が激しい場合は脱水症状を引き起こすことがあり、注意が必要です。
2.3. 食欲不振 胃腸炎の犬は食欲がなくなり、食べ物を拒否することがあります。これは胃や腸の炎症が原因で、食べること自体が犬にとって苦痛となるためです。
2.4. 腹痛 犬が腹部を気にして舐めたり、触られるのを嫌がる場合、腹痛がある可能性があります。普段と違う行動や姿勢を見せた場合も注意しましょう。
2.5. 倦怠感 元気がなく、動くことを嫌がる場合も胃腸炎のサインです。特に子犬や高齢犬の場合、症状が深刻になることが多いため、すぐに対処が必要です。
3.診断の流れ 動物病院での診断は、まず飼い主様からのヒアリングから始まります。次に、以下のようなステップで診断が進められます。
3.1. 体格や状態の確認 獣医師が犬の体調や体格、毛並み、口の中の状態を視診や触診で確認します。この段階で脱水症状や体重の減少、腹部の膨らみなどもチェックされます。
3.2. 血液検査 血液検査を行うことで、感染症の有無や内臓の機能が正常かどうかを確認します。また、貧血や電解質の異常もチェックします。
3.3. 便や嘔吐物の検査 便や嘔吐物を検査することで、細菌や寄生虫、ウイルスが原因となっているかどうかを調べます。これにより、特定の感染症や寄生虫病が発見されることがあります。
3.4. 画像検査 X線や超音波検査が行われることもあります。腸閉塞や腫瘍など、胃腸炎以外の病気が疑われる場合には、この検査で明確な診断ができることがあります。
4.治療の流れ 胃腸炎の治療法は、原因や症状の重さによって異なります。以下は一般的な治療の流れです。
4.1. 薬物治療 抗生物質や抗炎症薬、制吐剤などが処方されることがあります。また、胃腸の粘膜を保護する薬や、消化を助ける酵素も使用されることがあります。
4.2. 点滴 激しい嘔吐や下痢により脱水症状がある場合、点滴で水分と電解質を補給します。重度の胃腸炎の場合、入院が必要になることもあります。
4.3. 食事療法 消化に優しい食事が推奨されます。低脂肪食が適する場合もあります。これにより胃腸の負担を軽減します。
5.予防方法 胃腸炎の予防には、日々の管理が重要です。
5.1. 適切な食事管理 犬に与える食事は、栄養バランスが取れたものを選びましょう。人間の食べ物を与えない、食べ慣れないものや過度に脂肪分が多い食べ物を避けることが大切です。
5.2. ワクチン接種 感染症が原因で起こる胃腸炎を防ぐために、適切なワクチン接種を行うことも重要です。特に、パルボウイルスなどの予防接種は欠かさず行いましょう。
5.3. ストレス管理 環境の変化や過度なストレスが胃腸に影響を与えることがあるため、犬の生活環境を快適に保つように心がけましょう。また、旅行や長時間の留守番の際には、犬の負担を軽減する対策を考えることも有効です。
6.最後に 犬の胃腸炎は、早期の発見と適切な治療が大切です。飼い主様が日頃から犬の様子をよく観察し、普段と違う行動や体調の変化があれば、早めに動物病院に相談することが重要です。いぶきの動物病院では、皆様の大切な家族の健康を守るために全力でサポートさせていただきます。何か気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください