犬・猫の白内障の原因や症状、診断や治療法 | 獣医師が徹底解説!|大阪府和泉市のいぶきの動物病院2024/11/04
和泉市、堺市、岸和田市の皆さん、こんにちは!大阪府和泉市のいぶきの動物病院です。
今回は犬や猫がかかることのある「白内障」について詳しく解説していきます。
ペットが視力を失う原因として知られる白内障は、早期発見と適切な治療が重要です。
この記事では、白内障の原因、症状、診断の流れ、治療法、予防方法についてわかりやすくお伝えしますので、ぜひご覧ください。
・原因
白内障は、眼の水晶体が濁ることによって視力が低下する疾患です。犬や猫において白内障が発生する原因はいくつかあります。
(1) 加齢
最も一般的な原因は加齢です。多くの高齢犬や猫において、老化に伴い水晶体が白く濁ることがあります。
(2) 遺伝
特定の犬種や猫種では遺伝的要因が影響しやすいです。例えば、シュナウザーやビーグルなど、一部の犬種は白内障にかかりやすいことが知られています。
(3) 糖尿病
糖尿病を患う犬や猫では、血糖値のコントロールが不十分な場合、白内障が発生しやすくなります。
(4) 外傷
目に何らかの外的要因が加わることで、白内障が発生することもあります。外傷によって水晶体が損傷すると、濁りが生じる可能性があります。
(5) その他の疾患
一部の疾患、例えば慢性的な炎症や特定の感染症も、白内障を引き起こす原因となります。
・症状
白内障の症状は進行状況によって異なりますが、以下のようなサインに注意してください。
(1) 視力低下
白内障が進行するにつれて、ものにぶつかることが増えてきます。
(2) 目の変色
水晶体が濁ることによって、目が白っぽく見えることがあります。この変色は飼い主様にもわかりやすい兆候です。
(3) 夜間の視力の低下
特に暗い場所での視力が低下し、夜間の散歩を嫌がることがあります。
(4) 行動の変化
普段は元気なペットが急に引っ込み思案になったり、不安そうにしたりすることもあります。
・診断
白内障が疑われる場合、獣医師による診断が必要です。以下は、一般的な診断方法です。
(1) 問診
まずは飼い主様からの症状や行動の変化について詳しくお伺いします。
(2) 眼科検査
専門の器具を使用して目を詳しく検査します。水晶体の状態や網膜の状態を確認します。
(3) 血液検査
白内障の原因を特定するために、糖尿病などの内科的疾患の有無を確認するための血液検査が行われることがあります。
・治療
白内障の治療は、進行具合やペットの健康状態によって異なります。
(1) 薬物療法
初期の段階では、白内障進行予防を目的とした点眼薬が処方されることがあります。
※白内障自体を治すものではありません。
(2) 手術
視力が著しく低下している場合や白内障の重症度、網膜の状況により外科手術が必要になることがあります。水晶体を取り除く手術(白内障手術)が一般的で、人工レンズを挿入することもあります。
(3) アフターケア
手術後は、定期的な通院が必要です。また、薬の投与や生活環境の調整も求められます。
・予防方法
白内障を完全に予防することは難しいですが、いくつかの方法でリスクを軽減することができます。
(1) 定期的な健康診断
定期的に獣医師による健康診断を受けることで、早期発見が可能になります。
(2) 健康的な食事
栄養バランスの取れた食事を心がけ、肥満や糖尿病を予防しましょう。
(3) 適度な運動
適度な運動は、全体的な健康を保つために重要です。
(4) 目の保護
外出時には、目を傷つけないように注意し、特に外傷のリスクがある環境では気をつけましょう。
・最後に
白内障は犬や猫において一般的な疾患ですが、早期発見と適切な治療が視力を保つためには欠かせません。違和感を感じたり、気になること等ございましたらお気軽にご相談ください。今後も、ペットに関する有益な情報をお届けしていきますので、ぜひお楽しみにしてください!