床ずれ(褥瘡/じょくそう)2020/05/04
〇床ずれ(褥瘡/じょくそう)とは?
寝たきりの状態が続くと、体重のかかる部分の皮膚が長い間圧迫されて血行が悪くなり、皮膚の赤みやただれ、深い傷を生じることがあります。これを「褥瘡」といい、一般的に「床ずれ」と呼ばれています。
床ずれは皮膚のすぐ下に骨があり、寝ているときに床にあたる部分にできやすく、
具体的には図に示した部位に好発します。
(『犬と猫の老齢介護エキスパートブック』より引用)
〇床ずれになりやすい子の特徴は?
床ずれになりやすい子の特徴として、以下のようなものがあります。
・体重が重い中型〜大型犬。
・皮膚に赤みがある
・栄養状態の悪化により顔や体つきが骨ばってきた。
・食が細くなり、痩せてきた。
床ずれのリスク★
あまり動かなくなり、足腰が弱り始める。また、失禁がみられる場合もある。
床ずれのリスク★★
自力で立ち上がることができない。排泄時に腰を支えるなどの補助が必要。
床ずれのリスク★★★
歩行困難。排泄のお世話も欠かせない。いわゆる完全介護状態。
〇予防法は?
床ずれは一度生じると治療が大変なため、
「予防に勝る治療はない」と言われています。
リスクのある子には早めの対策をしましょう。
具体的な方法をいくつかご紹介します。
1. 除圧の徹底
・こまめに寝返りを打たせる
・マッサージする
・寝床との接地面積を増やす
2. 汚れやムレから皮膚を守る
・濡れたおむつやペットシーツを放置しない
・通気性の良いムレない寝床を作る
3. 摩擦を避ける
・寝床に段やシワをつくらない
・クッションやタオルで体を固定し、足先の動きや擦れを減らす
・保護包帯や靴下をはかせる
・排泄のお世話の際に皮膚をゴシゴシこすらない
4. 全身状態を良くする
・たんぱく質や栄養素を十分含む高カロリーの食事を与える
(シニア用フード、入院患者用フードの活用)
床ずれは、献身的なお世話をしていても生じてしまうことの多い疾患です。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。