猫の口腔内腫瘍「口の中のがん」について|獣医師が解説|和泉市のいぶきの動物病院

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猫の口腔内腫瘍「口の中のがん」について|獣医師が解説|和泉市のいぶきの動物病院2024/02/21

 和泉市、堺市、岸和田市、泉大津市、高石市の皆さんこんにちは。和泉市のいぶきの動物病院です。今回は、猫の「口の中のがん」についての病態や症状、治療方法について解説をいたします。

 

「愛猫の食べ方が変…」「最近、よく口を気にするな…」という場合には、口の中に腫瘍が存在する可能性もあります。

 口の中にできた腫瘍は悪性度が高く、早期発見が望まれます。

  愛猫の口に違和感のある飼い主さんは、ぜひ読んでみてくださいね。

 

【猫の口腔内腫瘍のほとんどが扁平上皮癌、まれに繊維肉腫】

猫の口腔内腫瘍のほとんどは扁平上皮癌であり、その発生率は口腔内腫瘍の7080%となっています。

 扁平上皮癌は局所浸潤性が強く、再発率が高い特徴があります。

 ただ、リンパ節転移や遠隔転移はまれな腫瘍です。

 一方で、扁桃に生じる扁平上皮癌は、下顎や上顎に発生する扁平上皮癌と全く異なる挙動を示し、診断時には90%以上で遠隔転移をしています。

 また、口腔繊維肉腫については、口腔内腫瘍の10%程度とまれな腫瘍です。

 こちらの腫瘍も、局所浸潤性が強く、再発率が高い一方で、リンパ節の転移や遠隔転移はあまりないことが特徴です。

 そのため、局所制御が重要となります。

 

【猫の口腔内腫瘍の症状~気がつくために見るポイント】

口の中の腫瘍は、外側から見えづらいため、発見が遅れる傾向にあります。

 症状の進行に合わせて、

 

             よだれが増える

             食べ方が変(こぼす、飲み込みづらそう)

             ドライフードを残す

             前足で口の中を気にする

            口臭が強くなる

             出血する

             顔が変形している

 

といった症状が見られる場合が多いです。

 ただ、これらの症状は、口内炎や歯周病でも見られる症状です。

 飼い主さんでの鑑別は難しいため、異常を感じたらすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

 また、日々の歯みがきを通して、早期発見できる可能性もあります。

 猫における歯みがきは難しいケースも多いですが、顔や口周りを触るなどのスキンシップを通して、チャレンジしてみてください。

 同時に、食べ方や食べるスピード、食べ残しの有無なども気をつけてみてあげましょう。

 

【猫の口腔内腫瘍の診断方法】

診断は、組織生検といい、組織を少量採取し、病理検査をすることで行います。

 組織生検は、安全かつ確実に行うために、鎮静もしくは麻酔をかけて実施することが多いです。

 また、病期を評価するため、局所の腫瘍の広がりや所属リンパ節の大きさ、肺転移の有無の判定も行います。

 ※所属リンパ節:下顎リンパ節、耳下腺リンパ節、内側咽頭後リンパ節

 リンパ節においては、腫大していてもそうでない場合でも、触診が可能であれば、針生検を実施します。

 あわせて、視診や触診、レントゲ検査や、(可能であれば)CT検査を行います。

 

【猫の口腔内腫瘍の治療法】

猫の口腔内腫瘍の治療法は、腫瘍の種類によって異なります。

 

〇口腔扁平上皮癌

扁平上皮癌の場合には、外科的摘出が第一選択となります。

 扁平上皮癌は、再発しやすく転移をしにくい腫瘍であるため、1回目の外科的摘出がもっとも重要となります。

 骨に浸潤する腫瘍であるため、上顎骨もしくは下顎骨の顎骨切除術を実施します。

 基本的には、軟部組織のサージカルマージンは1cm以上、骨部分は2cm以上を確保して摘出します。

 ※サージカルマージンとは、腫瘍の取り残しを防ぐために、腫瘍周囲の正常組織ごと切除した際の正常周辺組織のこと。

 同時に、放射線療法を組み合わせることで、再発を防止するよう努める場合もあります。

 猫の口腔扁平上皮癌においては、化学療法を行うこともあります。

 トセラニブ(+NSAIDs)により生存期間中央値が良化するとの報告もあり、投与頻度は2日に1回、もしくは週3回、週2回などさまざまです。

 

〇口腔繊維肉腫

外科的摘出が第一選択となります。

 扁平上皮癌と同様、再発しやすく転移をしにくい腫瘍であるため、1回目の外科的摘出がもっとも重要となります。

基本的には、軟部組織のサージカルマージンは1cm以上、骨部分は2cm以上を確保して摘出します。

 口腔繊維肉腫は放射線抵抗性があるため、単独での効果はほとんど期待できません。

 ただ、外科的摘出とあわせて行うことで、再発の防止が効果的と考えられています(現時点では、それを指示する報告はありません)。

 

繊維肉腫に対して有効とされている化学療法は、現時点ではありません。

 

【猫の口腔内腫瘍の予後】

猫の口腔内腫瘍の予後は以下の通りです。

 

〇口腔扁平上皮癌

一般的には予後不良の腫瘍です。

 

舌や扁桃も含んだ口腔内の扁平上皮癌の報告では、生存期間中央値が3カ月、1年生存率が10%以下となっています。

 下顎骨切除および放射線療法により治療を行った場合の再発率は87%、生存期間中央値は14カ月、1年生存率は57%となっています。

 猫はマズルが短く、サージカルマージンの確保が難しいため、腫瘍のある位置により、予後が全く異なります。

 すなわち、腫瘍の位置が下顎吻側であり、下顎吻側切除術を行った場合、生存期間中央値がもっともながく911日となっています。

 

〇口腔繊維肉腫

猫の口腔繊維肉腫に関する報告はほとんどありません。

 再発率が高く、転移率が低い腫瘍であるため、外科的にドン程度の切除ができるかどうかがとても重要です。

 

【猫の口腔内腫瘍の術後のケア】

猫は犬と違い、顎骨切除後に自力採食が困難となる場合が多いです。

 加えて、絶食期間が長くなることで、肝臓に負担がかかる動物である故、胃瘻チューブの設置をすることもあります。

 自力採食が可能になるまでは、ウェットフードや流動食なども用いて、介助してあげる必要があります。

 積極的な治療を行わずに、緩和療法などで対応する場合にも、食事面での介助が必要となるケースも多いです。

 上記と同様、食事を柔らかくする、液状にする、小さくするなどして、無理なくサポートしてあげましょう。

 

【まとめ】猫の口腔内腫瘍~扁平上皮癌、繊維肉腫について

猫の口腔内腫瘍のほとんどは、扁平上皮癌であり、まれに繊維肉腫や悪性黒色腫などが生じます。

 治療法は、外科的摘出が第一選択となることが多いですが、転移の有無や病期により放射線治療を併用することもあります。

 顎骨切除をした場合には、食後管理も重要であり、胃瘻チューブの設置や液状・流動状の食事をカロリー計算しつつ確実に与えるようになります。

 また、予後が悪いことも多いため、積極的な治療をせずに、生活の質を上げる治療を行うこともあります。

 主治医の先生としっかり話し合い、愛猫にとってベストな治療法を選んであげましょう。

 

 

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