犬の歯が欠けたらどうする?様子見が危険な理由と治療方法を獣医師が解説2026/08/14

犬の歯が欠けたらどうする?様子見が危険な理由と治療方法を獣医師が解説
「犬の歯が少し欠けてしまった、大丈夫かな」
「元気に食べているし様子を見てもいい?」
愛犬の歯が欠けたのをみつけたら「どうしたらいいんだろう」と不安になってしまいますよね。
犬の歯が欠けたり折れたりすることは、実は珍しいことではありません。
ただし、痛がっていないからといって放置するのは危険です。
今回の記事では、犬の歯が欠けた際の次のことについて解説します。
- ・確認するポイント
- ・正しい対処法
- ・放置のリスク
- ・病院を受診するときの目安
愛犬の歯が欠けているのを見つけて不安を感じている飼い主様は、ぜひ参考にしてください。
犬の歯が欠けたときに確認するポイント
犬の歯が欠けたり折れたりしたらまずは歯や口まわりの状態と、食べ方や行動の変化の2点を確認しましょう。
見た目だけでなく普段の様子も合わせてみることで異常を見落としにくくなります。
ここからは犬の歯が欠けたときに確認するポイントについて詳しく解説します。
犬の歯や口、顔の状態を確認する
犬の歯が欠けたとき、まずは欠けた歯と口や顔の状態を確認しましょう。
次のような様子は歯の欠けや破折が疑われるため注意が必要です。
- ・反対側の同じ歯より短くなっている
- ・歯の断面にピンク色の点や赤い組織、黒い点がある
- ・顔周りが腫れている
欠けた歯の断面に赤い点や変色がある場合は、歯の神経が露出した露髄のおそれがあります。
露髄はそのまま放置すると細菌感染につながりやすく、緊急性が高い状態です。
また、顔が腫れている場合は歯の根本で感染が起きて膿が溜まっている可能性があります。
犬の食べ方や行動の変化を確認する
犬の歯が欠けて露髄した状態は、激しい痛みを伴い食べ方や行動に変化がみられます。
犬が口を触らせてくれず歯の状態が確認できない場合は次のような変化がないか観察しましょう。
- 食べ物を片側の歯だけで噛む
- 硬いおやつやフードを避けるようになった
- よだれが増えた
これらは歯が欠けたことによる痛みのサインかもしれません。
気になる症状があれば早めに病院を受診しましょう。
犬の歯が欠けたときの対処法
犬の歯が欠けたときは無理に触らず、すぐに病院へ連絡することが大切です。
適切な対処が大切な歯と犬の健康を守ることにつながります。
ここからは病院を受診するまでにできることと、やらない方がいいことについて解説します。
病院を受診するまでにできること
病院を受診するまでは固いおやつやフードを避けましょう。
欠けた歯にさらに負担をかけてしまうと痛みや感染が悪化するおそれがあるためです。
いつ気づいたか、何を噛んだ後かなどをメモしておき、欠けた歯の破片があれば保管しておくと獣医師に説明しやすくなります。
やらない方がいいこと
犬の歯が欠けたときは無理に口を開けたり、欠けた歯を触ったりするのは避けましょう。
犬が嫌がって口の中を傷つけたり、飼い主様が噛まれたりする可能性があります。
元気だからといって放置するといった対応も症状を悪化させる原因になりかねません。

犬の歯が欠けたときの治療
犬の歯が欠けたときの治療は、歯の損傷が神経まで達しているかどうかによって変わります。
歯科処置は正確な診断と安全な処置のために全身麻酔下で行うのが一般的です。
ここからは歯の損傷の程度ごとに、治療方法について解説します。
神経が露出していない場合
犬の歯の損傷が歯の表面を覆うエナメル質だけの場合は、欠けた部分の研磨や経過観察のみで済むことが多いです。
エナメル質の下の象牙質と呼ばれる層にまで損傷がある場合は、歯科用のプラスチックで歯を保護する歯冠修復が行われることがあります。
神経が露出している場合
犬の歯が欠けて露髄している状態では抜歯か、歯を残す歯内治療が行われます。
特に以下のようなケースでは抜歯が必要です。
- ・歯の根元まで割れている
- ・重度の感染や歯周病が疑われる
- ・乳歯が折れている
一方で、歯を残す方法として歯内治療があります。
歯が欠けてから48時間以内であれば、生活歯髄切断が可能です。
生活歯髄切断は神経の一部を残して歯を保存する方法です。
歯が欠けてから時間が経ち、神経が死んでしまっている場合や細菌感染が疑われる場合は、根管治療が選択肢にあげられます。
根管治療は感染した神経を取り除き、歯の内部を洗浄・消毒して薬剤を詰める治療です。
歯冠修復や歯内治療は専門的な設備のある病院でのみ行える治療です。
歯を残すにはできるだけ早くこうした設備のある病院を受診する必要があります。
また、抜歯や歯内治療などの費用は高額になることがあるため、事前に病院に確認しておくと安心です。
少し欠けただけでも病院を受診しましょう
犬の歯は少し欠けただけでも病院を受診することが大切です。
歯の見た目だけでは神経まで傷ついているかどうかは判断できません。
また、犬は痛みを我慢することもあるため、普段どおり食事をし、元気に過ごしていることもあります。
見た目は少し欠けているだけでも、神経まで傷が達していると細菌感染が起こることがあるため注意が必要です。
歯の損傷の程度は見た目だけでは判断が難しいため自己判断せず早めに病院を受診しましょう。

まとめ
犬の歯が欠けたときはできるだけ早く病院を受診することが重要です。
早めに受診ができれば、施設によっては歯内治療を行うことができる可能性もあります。
また、再発防止のためには与えるものの固さにも気をつけましょう。
当院は歯科診療に力を入れており、歯内治療も行っています。
愛犬の歯が欠けてしまった場合は、当院までお気軽にご相談ください。
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