犬の皮膚が黒くなるのはなぜ?|考えられる病気や受診の目安を解説2026/11/07

犬の皮膚が黒くなるのはなぜ?|考えられる病気や受診の目安を解説
「愛犬のお腹の皮膚が黒くなってきた」
「以前はピンク色だった皮膚が黒ずんでいる」
「犬の皮膚が黒くなるのは病気のサインなの?」
愛犬の皮膚の色が変わっていることに気づくと、何か病気が隠れているのではないかと心配になりますよね。
犬の皮膚が黒くなる原因には、加齢による色素沈着や慢性的な皮膚炎、ホルモンの異常などさまざまなものがあります。
皮膚が黒くなっているからといって必ずしも病気とは限りませんが、かゆみや脱毛などを伴う場合は注意が必要です。
今回は、犬の皮膚が黒くなる原因や考えられる病気、動物病院を受診した方がよいケースについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の皮膚の黒ずみが気になった際の参考にしてください。
犬の皮膚が黒くなるのはなぜ?
犬の皮膚が黒くなる原因のひとつに「色素沈着」があります。
色素沈着とは、皮膚の中でメラニン色素が増えることで、皮膚の色が茶色や黒色に変化することです。
犬の皮膚では、加齢や摩擦などによって色素沈着が起こることがあります。
一方で、皮膚炎が長期間続いている場合にも色素沈着が見られます。
とくに慢性的な炎症がある場合は、皮膚が黒くなるだけでなく、厚く硬くなることも少なくありません。
また、ホルモンの異常によって皮膚や被毛に変化が現れるケースもあります。
そのため、犬の皮膚が黒くなっている場合は、色の変化だけでなく、かゆみや脱毛などの症状がないか確認することが大切です。
犬の皮膚が黒くなる主な原因
犬の皮膚が黒くなる原因には、皮膚そのものの病気だけでなく、全身の病気が関係していることもあります。
ここでは、代表的な原因について解説します。
アレルギー性皮膚炎
犬の皮膚が黒くなる原因としてよく見られるのが、アレルギー性皮膚炎です。
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどによって皮膚に慢性的な炎症が起こると、色素沈着が生じることがあります。
アレルギー性皮膚炎では、次のような症状が見られることがあります。
- ・皮膚の赤み
- ・強いかゆみ
- ・足先をなめる
- ・顔や体をこする
- ・脱毛
とくに脇の下やお腹、内股などは炎症が起こりやすく、皮膚が黒ずむことも多い場所です。
かゆみによって皮膚を繰り返し掻いたりなめたりすると、炎症が長引いて色素沈着が進むこともあります。
マラセチア皮膚炎
マラセチア皮膚炎も、犬の皮膚が黒くなる原因のひとつです。
マラセチアは犬の皮膚に常在している酵母菌ですが、皮脂の増加や皮膚のバリア機能の低下などによって異常に増殖すると、皮膚炎を引き起こします。
マラセチア皮膚炎では、次のような症状が見られることが多いです。
- ・皮膚の赤み
- ・かゆみ
- ・べたつき
- ・独特のにおい
とくに脇の下や内股、指の間、耳などに発生しやすい傾向があります。
炎症が慢性化すると皮膚が厚くなり、黒ずみが目立つこともあるため注意が必要です。
膿皮症
膿皮症は、細菌感染によって皮膚に炎症が起こる病気です。
犬の皮膚のバリア機能が低下すると、皮膚に存在する細菌が増殖して膿皮症を引き起こすことがあります。
膿皮症では、
- ・赤み
- ・かゆみ
- ・膿疱
- ・かさぶた
などの症状が見られます。
また、炎症が繰り返されることで色素沈着が起こり、皮膚が黒くなることも。
膿皮症はアレルギー性皮膚炎やホルモンの病気などに続いて発症することもあるため、繰り返す場合は背景にある原因を調べることが重要です。
ホルモンの病気
犬の皮膚が黒くなる原因として、ホルモンの異常が関係していることもあります。
代表的な病気は以下の通りです。
- ・甲状腺機能低下症
- ・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
甲状腺機能低下症では、脱毛や皮膚の黒ずみ、元気がなくなるなどの症状が見られることがあります。
一方、クッシング症候群では、脱毛や皮膚が薄くなるといった変化に加えて、多飲多尿やお腹が膨らむなどの症状が現れることもあります。
これらの病気では、皮膚にかゆみがほとんど見られないケースも珍しくありません。
皮膚が黒くなるだけでなく、左右対称の脱毛や飲水量の増加などが見られる場合は、ホルモンの病気も考慮する必要があります。
脱毛症X(アロペシアX)
犬の皮膚が黒くなる病気のひとつに、脱毛症Xがあります。
脱毛症Xは、ポメラニアンやトイ・プードルなどで見られることがある脱毛症です。
胴体や尾などの毛が徐々に抜けていき、脱毛した部分の皮膚が黒くなることがあります。
一般的に強いかゆみは伴わず、元気や食欲にも大きな変化が見られないことが特徴です。
ただし、脱毛症Xと似た症状はホルモンの病気でも見られるため、ほかの病気を除外した上で診断する必要があります。
加齢や摩擦による色素沈着
犬の皮膚は、病気がなくても加齢や摩擦によって黒くなることがあります。
たとえば、皮膚が繰り返しこすれる部分では、刺激によって色素沈着が起こる場合があります。
また、年齢を重ねるにつれて皮膚の色が徐々に変化することもあります。
かゆみや赤み、脱毛などがなく、皮膚の状態に変化が見られない場合は、必ずしも治療が必要とは限りません。
ただし、見た目だけで病気による色素沈着と区別することは難しいため、気になる場合は動物病院で確認してもらいましょう。

犬の皮膚が黒くなったときに注意したい症状
犬の皮膚が黒くなっている場合は、色の変化以外にも異常がないか確認することが大切です。
とくに次のような症状が見られる場合は、皮膚病やホルモンの病気が隠れている可能性があります。
- ・皮膚をしきりに掻いている
- ・脱毛が広がっている
- ・皮膚が厚く硬くなっている
- ・赤みやべたつきがある
- ・皮膚から強いにおいがする
- ・水を飲む量や尿の量が増えている
皮膚の黒ずみは、慢性的な炎症が続いているサインであることもあります。
また、急に黒い斑点やしこりが現れたり、出血やただれを伴ったりする場合は、色素沈着ではなく腫瘍などの病気が関係している可能性もあるため注意が必要です。
このような変化が見られた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
犬の皮膚が黒くなった場合の検査と治療
犬の皮膚が黒くなっている場合、動物病院では皮膚の状態や症状に応じて検査が行われます。
主な検査は以下の通りです。
- ・皮膚の細胞診
- ・皮膚掻爬検査
- ・被毛の検査
- ・血液検査
- ・ホルモン検査
必要に応じて皮膚生検などの詳しい検査が行われることもあります。
治療方法は原因によって異なります。
細菌やマラセチアによる皮膚炎であれば、外用薬や薬用シャンプー、必要に応じた内服薬などが使用されます。
アレルギー性皮膚炎では、かゆみや炎症を抑える治療に加えて、原因に応じた対策が必要です。
また、ホルモンの病気が見つかった場合は、その病気に対する治療が行われます。
なお、皮膚の炎症が改善しても、黒くなった部分がすぐに元の色に戻るとは限りません。
色素沈着が改善するまでには時間がかかることがあり、黒ずみが残る場合もあります。
そのため、皮膚の色だけで治療効果を判断せず、かゆみや赤み、脱毛などの改善も確認することが大切です。

まとめ
犬の皮膚が黒くなる原因には、アレルギー性皮膚炎やマラセチア皮膚炎、ホルモンの病気などさまざまなものがあります。
加齢や摩擦による色素沈着であれば治療が必要ないこともありますが、かゆみや脱毛などを伴う場合は注意が必要です。
また、皮膚の黒ずみは慢性的な炎症によって生じることもあるため、見た目だけで判断せず、原因を確認することが重要になります。
愛犬の皮膚が以前より黒くなっている、脱毛やかゆみが続いているなど気になる症状がある場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
当院では犬の皮膚科診療にも対応しております。
愛犬の皮膚の黒ずみや脱毛、かゆみなどでお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
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