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犬の関節炎の原因や症状、診断や治療法を徹底解説!2024/11/18
和泉市、堺市、岸和田市の皆さん、こんにちは!
大阪府和泉市のいぶきの動物病院です。今回は、犬の関節炎についてお話しします。関節炎は、年齢や体型を問わず、多くの犬が経験する可能性のある病気です。愛犬が痛みを感じることなく、元気に過ごせるように、関節炎の原因や症状、一般的な診断や治療の流れについて詳しく解説します。
1. 原因
関節炎の原因は、犬の年齢、体重、遺伝、生活習慣などさまざまな要因が関わっています。主な原因には以下のようなものがあります。
・加齢:年齢を重ねると、関節に負担がかかりやすくなります。老犬ほど関節炎のリスクが高まります。
・肥満:体重が増えると、関節にかかる負担が増え、関節が傷つきやすくなります。
・遺伝:特定の犬種(ゴールデンレトリバーやラブラドールなど)は遺伝的に関節疾患が多く、関節炎のリスクが高くなります。
・ケガや過度な運動:関節のケガや、過度な運動により、関節が損傷しやすくなる場合もあります。
・関節の奇形や発育不全:先天的に関節に問題がある場合も、関節炎が発症しやすくなります。
これらの原因が重なることで、関節の軟骨がすり減ることや、骨の変形による緩衝につながり、炎症や痛みが発生します。
2. 症状
関節炎の症状は初期段階では分かりにくいことも多いですが、次のような兆候が見られます。いずれの症状も、寒くなるこれからの季節に顕著になる傾向にあります。
・歩き方が変わる:足を引きずる、ゆっくり歩く、ぎこちない動きになる
・立ち上がりや階段の上り下りが困難になる:特に朝や長時間横になっていた後に、立ち上がりが難しくなる場合があります。
・元気がない:散歩を嫌がる、遊びに興味がなくなるなどの行動が見られることがあります
・触られるのを嫌がる:関節に痛みがあるため、体に触られることを嫌がったり、攻撃的になる場合もあります。
・関節が腫れる:炎症によって関節周囲が腫れることがあります。
こうした症状が見られた場合、関節炎の可能性があるため、早めに病院での診察をおすすめします。
3. 診断の流れ
関節炎の診断は、いくつかの手順を通じて行います。一般的な診断の流れは以下の通りです。
1. 問診:まず、飼い主様から愛犬の症状や行動について詳しくお伺いします。どのような症状がいつから出始めたか、どの程度の痛みがあるかなどを確認します
2. 触診:次に、獣医師が実際に関節を触って炎症や腫れがないかを確認します。また、関節の可動域や痛みの具合も診察します。
3. X線(レントゲン)検査:関節の状態を確認するためにX線検査を行います。これにより、骨や軟骨の異常、関節の変形などが確認できます。
4. 血液検査:関節炎の原因が感染症や免疫異常によるものであるかを確認するため、血液検査を行うこともあります。
これらの診断により、関節炎の原因や進行度合いを正確に把握し、適切な治療法を決定します。場合によっては、関節穿刺による関節液の検査を行うこともあります。
4. 治療の流れ
関節炎の治療は、愛犬の症状や進行度に応じて異なります。主な治療法としては以下のようなものがあります。
・薬物療法:痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛薬やサプリメント(オメガ-3脂肪酸やグルコサミン、コンドロイチン)を処方することがあります。ただし、薬の種類や用量は愛犬の体質や年齢により異なるため、獣医師の指示に従って使用します。
・理学療法(リハビリ):関節の柔軟性を保つために、温熱療法やマッサージなどが行われます。これにより、関節の可動域が広がり、痛みが軽減されることが期待されます。ただ、急性期は悪化する可能性もあるため、注意が必要です。
・体重管理:肥満は関節に大きな負担をかけるため、適切な体重を維持することが重要です。低カロリー食を導入したり、食事の量を見直したりすることで体重管理をサポートします。
・手術:重度の関節炎で薬やリハビリでは効果が見られない場合、手術が検討されることもあります。関節内の異常部分を修復したり、人工関節を挿入する手術が行われることがあります。
これらの治療を組み合わせることで、愛犬の痛みを軽減し、生活の質を向上させることが目指されます。
5. 予防方法
関節炎の予防には、日々の生活習慣が大切です。次のような対策を心がけてください。
・体重管理:肥満は関節炎の大きなリスク要因ですので、適切な食事量や運動量を心がけて、体重を管理しましょう。
・適度な運動:関節に過度な負担がかからないよう、軽い運動を心がけましょう。散歩や遊びを通じて筋力を維持することが大切です。
・サプリメントの活用:関節に良いとされるサプリメント(オメガ-3脂肪酸、グルコサミン、コンドロイチンなど)を摂取することで、軟骨の健康をサポートします。サプリメントの使用については、獣医師と相談してから始めるのが良いでしょう。
・定期的な健康チェック:年齢と共にリスクが高まるため、定期的に動物病院での健康チェックを行うことで、早期に関節の異常を発見し、対処することが可能です。
6. 最後に
今回は犬の関節炎について、その原因や症状、診断・治療の流れ、予防方法などを解説しました。関節炎は、原因によっては生涯付き合っていく必要もあるため、早期発見と適切な治療が重要です。関節炎が進行してしまうと、愛犬が長期間にわたって苦しむ可能性があるため、早めに動物病院に相談することをおすすめします。
愛犬がいつまでも元気で過ごせるよう、関節の健康を日々のケアで支えていきましょう。気になる症状やお悩みがあれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください!