犬の奥歯の周りが腫れている?|犬の奥歯の病気について解説2026/06/28

犬の奥歯の周りが腫れている?|犬の奥歯の病気について解説
犬は口の中を見られることを嫌がることが多く、口腔内のトラブルは、飼い主様であっても気が付きにくいです。
しかし奥歯の周りの腫れは、強い痛みや重篤な病気が隠れているケースが少なくありません。
今回は犬の奥歯の周囲が腫れる原因について、考えられる原因や病気の予防法などを詳しく解説します。
愛犬の歯の健康についてご不安のある飼い主様はぜひ最後まで読んでいただき、愛犬の痛みや病気について理解を深めましょう。
犬の奥歯周囲が腫れる病気
犬の奥歯の周囲が腫れるとき、そこには必ず原因となる病気があります。
犬の奥歯の腫れの原因として考えられる病気について解説していきます。
歯周病
歯周病は、犬の奥歯の周囲が腫れる原因として最も多い病気です。
歯周病とは、歯石や歯垢が歯に付着し歯を溶かしてしまう病気です。
歯に食べ物の残りかすが長時間放置されていると、その周りに歯周病菌がたくさん付着し歯垢が発生します。
歯垢が歯に付着していると、口腔内のミネラル成分が沈着し歯石となります。
歯石は歯周病菌の塊のようなもので、簡単には落ちません。
歯石が歯に付着していると、歯やその周辺の歯肉は常に感染を起こしている状態となり、歯の周囲が腫れる原因となります。
犬の唾液はアルカリ性に傾いているため、犬の口腔内は歯周病菌の増えやすい環境です。
他の動物に比べ歯周病のリスクが高いため、犬の飼い主様はより一層注意が必要です。
歯の破折・外傷
犬で突然奥歯が腫れた場合は、破折が原因である可能性もあります。
破折とは、歯が折れたり割れたりしてしまうことを指します。
犬の歯は比較的エナメル質が薄く、外から強い力が加わると割れやすいです。
奥歯が割れてしまうとその割れ目から口腔内の細菌が歯の内部へと侵入し、歯肉に急性の炎症を起こし腫れる原因になります。
また奥歯の周囲の粘膜に異物が刺さったり擦れてしまうことで傷がつくことで炎症を起こし腫れることもあります。
木のおもちゃや硬いおやつは歯や歯肉を傷つける恐れがあるので注意が必要です。
口腔内腫瘍
歯肉そのものが腫れている場合には、炎症ではなく口腔内腫瘍の可能性もあります。
犬は比較的口腔内に腫瘍が発生することが多く、悪性のものも少なくありません。
犬の口腔内の悪性腫瘍は、
- ・悪性黒色腫
- ・扁平上皮癌
- ・繊維肉腫
などが多く、大きくなったり転移のスピードが速いのが特徴です。
口腔内腫瘍が原因で腫れている場合は、その見た目だけでは悪性なのか良性なのかの区別ができません。
腫瘍が原因で腫れている場合は、なるべく早く治療に入るためにも正確な診断が必須です。
犬の奥歯の腫れを放置するとどうなる?
犬の奥歯の腫れに気がついた場合、早めに対処することが非常に重要です。
残念ながら奥歯の腫れの原因になるような病気は、自然治癒することはほとんどありません。
歯周病や破折による奥歯の腫れは、放置しておくと抜歯を行わなければ治癒が見込めなくなることも多いです。
口腔内腫瘍の治療が遅れ、転移したり拡大してしまうと、摘出手術が困難になったり、犬の外貌が大きく変化してしまう恐れがあります。
さらに奥歯が腫れている場合は、犬が口に非常に激しい痛みを抱えていることが多いです。
この時に無理に歯磨きを行ったり歯を触ったりすると、化膿している部分を刺激してしまい感染を拡大させてしまうことがあります。
また激痛のなか口を触られることで、口を触られること自体が恐怖になってしまうケースも少なくありません。
このような状態では、口腔内の病気の診断や治療後のケアが困難になります。
なるべく早く対処することが治療をシンプルかつ確実に行うために非常に重要です。
そのため、犬の奥歯の腫れに気が付いたらなるべく早く動物病院へ連れて行きましょう。

奥歯の腫れの予防法
奥歯が腫れるような病気は自然治癒することはほとんどありませんが、予防することは可能です。
ここでは、犬の奥歯の腫れを予防する方法についてご紹介します。
日々のデンタルケア
犬の奥歯の腫れの原因として最も多い歯周病の予防には、デンタルケアが非常に重要です。
毎日の歯磨きにより、食べ物の残りかすが歯石になる前に除去することができれば、歯周病を予防できます。
犬の奥歯は歯ブラシが届きづらく、歯磨きを行うのが難しい部位です。
なるべく若いうちから毎日の習慣として行うことで、犬も歯磨きを過剰に嫌がらず丁寧に歯磨きを行うことが可能になります。
犬がすでに歯磨きを激しく嫌がってしまうなど、毎日のデンタルケアについてお悩みがある場合はぜひ当院にご相談に来てください。
犬やご家族にとって継続しやすく無理のない方法について相談しましょう。
硬すぎるおもちゃを与えない
病気の予防のために、犬に与えているおもちゃを見直すことも必要かもしれません。
硬いプラスチック製のおもちゃや動物の骨や角など、歯が折れてしまう原因になるようなおもちゃは避けるようにしましょう。
木のおもちゃは一見ちょうど良い硬さのようにも感じますが、ささくれができやすく小さなトゲが歯肉に残存してしまうこともあります。
おもちゃの導入の時だけでなく、日々おもちゃの使い方を確認することも大切です。
おもちゃを与える際は飼い主様の目が届く範囲で遊ばせたり、危険があるようなものは処分するなどして管理するようにしましょう。
ご家族と獣医師による定期的なチェック
毎日のデンタルケアのときに、意識して歯や口腔内のチェックをすることも予防のために有効です。
犬は歯磨きを嫌がることが多く、なるべく早く全ての歯を磨いて終わらせてあげたいと思ってしまいますよね。
しかし口腔内の細かなチェックは、奥歯の腫れの早期発見の要です。
病気が悪化する前に気づいてあげられるよう、無理のない範囲でチェックを行うと良いでしょう。
さらに獣医師による定期的なチェックも腫れの予防のために重要です。
ワクチンなどの予防や健康診断の時に口腔内までチェックしてもらうようにしましょう。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、犬の奥歯周囲の腫れについて考えられる病気や予防方法を解説しました。
口腔内の病気は、我々人間の目に見えるような時点で既にある程度進行した重症の状態であると言えます。
早期に治療を行い痛みから解放されることで、犬の生活の質も上がります。
当院では犬の歯科疾患について知識と経験の豊富な獣医師が飼い主様と二人三脚で治療にあたります。
愛犬の奥歯の様子に不安のある飼い主様はぜひお早めに当院までご相談ください。
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