猫の歯が抜けた!|原因・対処法・受診の目安を獣医師が詳しく解説2026/07/14

猫の歯が抜けた!|原因・対処法・受診の目安を獣医師が詳しく解説
愛猫の歯が突然抜けたら、
「歯が抜けても大丈夫なの?」
「何か病気では?」
「ご飯は食べられるの?」
と心配になりますよね。
猫の歯が抜ける原因は年齢によって大きく異なります。
子猫であれば正常な生え変わりの可能性が高いです。
しかし、成猫や高齢猫では歯周病などの病気が隠れている
この記事では、猫の歯が抜ける原因、家庭での対処法、動物病院を受診すべきケースについて詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みいただき愛猫の歯が抜けた際にお役立てください。
猫の歯が抜ける原因は?
猫の歯が抜ける原因はさまざまです。
猫の歯が抜けることが正常か病的なものかどうかは、年齢によって異なる場合があります。
猫も人間と同じように、乳歯から永久歯へ生え変わります。
猫の歯の生え替わりの一般的なスケジュールは以下のとおりです。
- ・生後2〜4週間頃に乳歯が生える
- ・生後3〜4か月頃に乳歯が抜け始める
- ・生後6〜7か月頃に永久歯が生えそろう
この時期に歯が抜けるのは自然な現象です。
ただし、抜けた歯を飼い主様が見つけることは意外と少なく、多くの場合は食事と一緒に飲み込んでしまいます。
生後7か月以降の猫では、自然に歯が抜けることは基本的にありません。
そのため、成猫や高齢猫の歯が抜けた場合は、何らかの異常が起きている可能性があります。
主な原因をそれぞれ解説しましょう。
歯周病
猫の歯が抜ける原因として最も多いものは歯周病です。
歯周病は歯垢や歯石に含まれる細菌によって歯ぐきに炎症が起こる病気です。
症状が進行すると、
- ・歯ぐきが腫れる
- ・出血する
- ・歯がぐらつく
- ・歯が抜ける
といった症状がでてきます。
重度になると顎の骨を溶かしてしまったり、全身状態の悪化に繋がることもあるため早めに病院を受診しましょう。
吸収病巣(猫破歯細胞性吸収病巣)
吸収病巣(猫破歯細胞性吸収病巣)は猫に非常に多い歯の病気です。
歯を壊す働きをもつ破骨細胞が何らかの原因で永久歯を溶かしてしまいます。
歯が欠損するため、一見すると歯が抜けたように見える場合もあります。
吸収病巣は強い痛みを伴うためよだれや食欲不振などの症状が見られます。
外傷・事故
外傷や事故などが原因で猫の歯が抜ける場合もあります。
主に以下のようなケースが多いです。
- ・高い場所から落下した
- ・ケージや家具にぶつかった
- ・他の猫とのケンカした
- ・硬すぎる物を噛んだ
外傷による場合は、歯以外の箇所にケガをしていることもあるため注意が必要です。
口内炎
猫の口内炎も歯が抜ける原因のひとつです。
猫の口内炎が進行し歯ぐきなどの組織がダメージを受けると、歯が不安定になり抜けてしまう場合があります。
猫の口内炎は重度になると、
- ・強い痛み
- ・食欲不振
- ・体重減少
などといった症状も見られ、全身状態の悪化に繋がる場合もあるため注意が必要です。
口腔内腫瘍
猫の口腔内に腫瘍ができると、歯の周囲の組織が破壊され歯が抜ける原因となることがあります。
猫の口腔内に腫瘍ができた場合には、以下のような症状が見られます。
- ・口の中から出血している
- ・口内炎がある
- ・口臭が強くなる
- ・できものができている
- ・食欲が落ちる
高齢の猫で見られる口腔内の腫瘍は線維肉腫や扁平上皮癌などの腫瘍が代表的です。
これらの腫瘍は悪性のため、その他の組織に転移する場合もあります。
猫の口腔内腫瘍は早期発見・早期治療が重要です。

猫の歯が抜けたときの対処法
猫の歯が抜けた際には、ご自宅で以下のようなことに気をつけましょう。
抜けた歯を確認する
猫の歯が抜けてしまった場合は可能であれば、
- ・いつ抜けたか
- ・どの歯が抜けたか
- ・出血はあるか
などを確認しておきましょう。
動物病院で診察を受ける際の参考になります。
口の中を無理に触らない
猫の口に痛みがある場合、無理に口を開けようとすると
- ・猫にストレスがかかる
- ・飼い主が噛まれる
- ・炎症が悪化する
といったような可能性があります。
無理に猫の口の中を見ようとせず、動物病院を受診するようにしましょう。
食事の様子を観察する
猫の歯が抜けた場合、食事の様子をよく観察することも重要です。
以下のような様子をチェックしましょう。
- ・ご飯を食べるか
- ・噛みにくそうにしていないか
- ・食欲はあるか
- ・水は飲めているか
猫は食事が取れないと急激に状態が悪化することがあります。
猫の食欲が落ちている場合には早めに受診することが重要です。
動物病院を受診したほうがいい症状
猫に次のような症状が見られた場合には早めの受診をおすすめします。
- ・出血が続いている
- ・歯ぐきが赤く腫れている
- ・強い口臭がある
- ・食事ができない
- ・よだれが増えている
- ・顔が腫れている
- ・痛がる様子がある
特に成猫や高齢猫の歯の脱落は、歯周病や吸収病巣のサインであることが少なくありません。
進行すると治療が困難になり、猫のQOL(生活の質)の低下に繋がる場合もあるため早期発見・早期治療が重要です。
猫の歯が抜けるのを予防する方法
猫の歯が抜けるのを防ぐには、
- ・毎日のデンタルケア
- ・定期検診
が重要です。
特に猫の歯周病を防ぐには、毎日の歯みがきが最も効果的な予防法です。
毎日行うことが理想ですが、難しい場合には猫が嫌がらないように少しずつ行うようにすると良いでしょう。
猫の歯磨きを行う際には、猫専用の歯ブラシや歯みがきを使用します。
その他にはデンタルガムやデンタルシートのようなデンタルケア用品も役立ちます。
ただし、歯みがきの代わりにはならないため補助的に利用するようにしましょう。
また猫は口の中を見せたがらないため、病気の発見が遅れがちです。
年に1回以上、高齢猫では半年に1回程度の健康診断が推奨されます。
口腔内のチェックを定期的に行うことで病気の早期発見に繋がります。

まとめ
猫の歯が抜ける原因は年齢によって異なります。
子猫なら生え変わりの可能性が高いですが、成猫・高齢猫では病気の可能性が高いため注意が必要です。
猫の歯が抜ける原因で多いのは歯周病や吸収病巣です。
食欲低下や口臭、出血などの症状がある場合は早めに動物病院を受診しましょう。
早期発見・早期治療によって、猫の痛みやさらなる歯の喪失を防ぐことができます。
当院は歯科診療に力を入れています。
愛猫の歯が抜けてしまった際や、定期的なデンタルチェックなどいつでもご相談ください。
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