猫の脱毛が丸いのはなぜ?原因とうつる可能性、受診の目安2026/09/21

猫の脱毛が丸いのはなぜ?原因とうつる可能性、受診の目安
「愛猫の体に丸く毛が抜けている部分を見つけて驚いている」
「時間が経てば自然に治るのか、それとも広がるのか気になっている」
「ほかの猫や家族にうつらないか心配になっている」
飼い主様は、愛猫の体に丸い脱毛を見つけると不安を感じるでしょう。
猫の丸い脱毛には、原因によって自然に治るものもあれば、人やほかの動物にうつるものもあります。
特に皮膚糸状菌症という真菌(カビの仲間)による感染症が原因であることが多いです。
本記事では、猫の脱毛が丸くなる原因から動物病院を受診する目安についてわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、飼い主様が愛猫の脱毛と向き合ううえでのヒントにしていただければ幸いです。
猫の脱毛が丸いときの主な原因
猫の脱毛の形や広がり方には、原因によって違いがあります。
丸く境界のはっきりした脱毛では真菌の感染が多くみられます。
そのほかにも寄生虫やストレスなど別の原因で毛が抜けていることも多いです。
それぞれ詳しく説明していきましょう。
丸い脱毛でまず考えられる皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症は、真菌(カビの仲間)が皮膚や被毛に感染して起こる病気です。
猫では「ミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)」という種類の真菌が原因になることが多いとされています。
この真菌は感染した場所から外側に向かって少しずつ広がっていく性質があるため、丸い脱毛を引き起こします。
脱毛は顔まわりや足先に出やすく、フケや軽い赤みを伴う場合も多いです。
特に子猫や、ほかの病気で免疫の働きが落ちている猫では、症状が強く出やすい傾向がみられます。
そのほかに考えられる原因
皮膚糸状菌症のほかにも、猫の脱毛につながる病気や状態は少なくありません。
代表的な原因としては、
- ・疥癬:ヒゼンダニという寄生虫が皮膚に住みつき、強いかゆみを起こす
- ・アレルギー:食べ物や花粉などに体が反応し、皮膚に炎症が出る
- ・過剰グルーミング:不安や環境の変化から同じ場所をなめ続ける
が挙げられます。
疥癬やアレルギーによる脱毛は強いかゆみを伴い、猫が自分でかき壊すことで毛が抜けていきます。
なかでも疥癬は、耳の縁や目のまわりから症状が始まり、首や前足へと広がっていく経過をたどる病気です。
また、過剰なグルーミングによる脱毛は、猫の舌が届く内ももからお腹にかけて左右対称に現れやすくなります。
ただし脱毛の見た目だけで原因を見分けることは難しく、複数の原因が重なっている場合もあるため自己判断は禁物です。

猫の丸い脱毛は自然に治る?放置した場合の変化
飼い主様は、丸い脱毛を見つけたとき、そのまま様子を見ていいか気になりますよね。
実は脱毛が自然に治るかどうかは原因によって異なり、放置すると状態が悪化するケースもあります。
自然に治るかどうかは原因によって異なる
皮膚糸状菌症は猫自身の免疫の働きによって自然に治ることもある病気です。
多くの場合、完治までには数週間から数か月程度の投薬治療が必要とされています。
ただし、目に見える範囲だけで病気を判断して様子を見続けることはやめましょう。
脱毛の原因が
- ・疥癬
- ・アレルギー
- ・過剰なグルーミング
のいずれかである場合、原因そのものを取り除かない限り自然に落ち着かないことが多いです。
放置すると起こりうる変化
猫の丸い脱毛をそのままにしておくと
- ・脱毛の範囲が広がる
- ・脱毛部分が赤くなる
- ・皮膚の表面にかさぶたができる
- ・掻き壊した部分から細菌感染が起こる
というような変化が見られることがあります。
これらの変化は、猫の体への負担が徐々に大きくなっているサインでもあります。
丸い脱毛は自然に治るかもと思って放置すると知らないうちに悪化してしまうことも多いので、なるべく動物病院を受診することがおすすめです。
猫の丸い脱毛はうつる可能性があるのか
丸い脱毛の原因によっては、人や他の動物にうつる可能性があるかも気になりますよね。
特に皮膚糸状菌症や疥癬は、人獣共通感染症として知られています。
皮膚糸状菌症は人にもうつる可能性がある
皮膚糸状菌症は猫だけでなく人にもうつることがある人獣共通感染症です。
感染した猫を撫でた手で、自分の顔や体に触れることで人にもうつることがあります。
特に子どもや高齢者、免疫力が低下している人は症状が出やすく悪化しやすいです。
飼い主様自身や他の同居人の方に気になる症状がある場合は、皮膚科など人の医療機関を受診しましょう。
疥癬などの寄生虫もうつることがある
疥癬は感染力が強くほかの動物にもうつる可能性があることで知られています。
短い接触でも猫から猫、猫から犬へとうつることがあります。
多頭飼育の場合、1匹が感染するとブラシやタオルなどを介して同居しているほかの猫や犬に広がることも多いです。
疥癬は人にも一時的にうつることがあり、かゆみを伴う発疹が出ることもあります。
ただし、猫に寄生するダニは人の体では長く生きられません。
そのため、症状は一時的なもので済むことが多いとされています。

動物病院を受診する目安
飼い主様は愛猫の丸い脱毛に気づいたとき、どのタイミングで動物病院を受診すればいいか迷うと思います。
ここでは、受診の目安となる様子と、動物病院で行われる検査について紹介します。
こんな様子が見られたら早めの受診を
猫の丸い脱毛では
- ・脱毛の範囲が広がっている
- ・脱毛が複数箇所にできている
- ・脱毛部位に赤みやかゆみを伴っている
といった様子が見られる場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
放置してしまうと皮膚症状がひどくなることもあるため、自宅で様子を見ずに治療や検査を受けることがおすすめです。
動物病院で行われる主な検査
動物病院では、原因を特定するためにいくつかの検査を組み合わせて行うのが一般的です。代表的な検査には
- ・特殊な光を当てて感染した毛の変化を確認するウッド灯検査
- ・採取した被毛や皮膚を顕微鏡で観察する検査
- ・培地で菌を育てて種類を確認する真菌培養検査
があります。
検査の組み合わせは、疑われる原因や症状の状態によって異なります。

まとめ
飼い主様は、愛猫の体に丸い脱毛を見つけると、原因や今後の経過が分からず心配になることでしょう。
丸い脱毛の原因は皮膚糸状菌症や疥癬などさまざまで、人や他の動物にうつる可能性もあります。
そのため、自己判断で様子を見続けるのではなく、早めに動物病院で原因を確認することが安心への近道です。
当院は皮膚科診療に力を入れております。
愛猫の脱毛の範囲や症状について気になる点があればいつでもお気軽にご相談ください。
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