犬が口を気にする原因とは?|考えられる病気と受診の目安を獣医師が解説2026/10/21

犬が口を気にする原因とは?|考えられる病気と受診の目安を獣医師が解説
「最近、愛犬が口を気にしている」
「前足で口をこするようになった」
「口をぺろぺろする様子が増えた」
愛犬にこのような様子はありませんか?
犬が口を気にする行動は、単なる癖や一時的な違和感に見えることもあります。
しかし、その背景にはさまざまな病気が隠れていることがあり、場合によっては全身の不調に繋がることもあるため注意が必要です。
この記事では、犬が口を気にするときに考えられる主な原因と、動物病院を受診する目安について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬が口を気にしている際にお役立てください。
犬が「口を気にする」状態とは?
犬が口を気にしている場合には、以下のような症状が見られます。
- ・前足で口や顔をこする
- ・口を頻繁にペロペロしたりクチャクチャする
- ・よだれが増える
- ・食事中に口を気にする
- ・硬いものを食べなくなる
- ・口の周囲を触られるのを嫌がる
また「食欲はありそうなのに食べ方がおかしい」という場合も注意が必要です。
- ・ご飯を食べようとするが口に入れるとやめてしまう
- ・食べ物を口に入れてもすぐに吐き出す
といった場合には、食欲そのものがなくなっているのではなく、口の中に痛みや違和感があって食べられない可能性があります。
犬が口を気にする主な原因
犬が口を気にする原因は、口腔内の疾患から全身性の疾患までさまざまです。
主な原因をそれぞれ詳しく解説しましょう。
歯周病
犬が口を気にする原因として代表的なものが歯周病です。
犬では歯垢や歯石が付着しやすく、3歳以上の犬の8割は歯周病に罹患しているとも言われています。
歯垢の中には多くの細菌が存在しており、歯肉に炎症を引き起こします。
さらに進行すると、歯を支えている組織や顎の骨にまで炎症が広がって行くことがあるため注意が必要です。
犬の歯周病では、
- ・口臭が強くなる
- ・歯ぐきの赤みや出血が見られる
- ・歯がぐらつく
- ・よだれが増える
- ・食べにくそうにする
などの症状がみられます。
歯周病によって口の中に違和感や痛みを感じるため、犬が口を気にするケースが多いです。
また歯の根元に感染が起こると、顔が腫れたり、目の下が腫れたりすることがあります。
歯の破折
犬が急に口を気にするようになった場合には、歯が折れている可能性もあります。
犬が硬いおもちゃや骨などを噛むことによって、歯が欠けたり折れてしまうケースは少なくありません。
特に歯が折れて歯の内部にある神経や血管が露出してしまった場合には、強い痛みを引き起こします。
しかし、犬は痛みがあっても食事を続けることがあるため、「ご飯を食べているから問題ない」とは限りません。
犬が硬いものを噛んだあとから、
- ・急に口を気にする
- ・片側だけで噛む
- ・硬いフードを嫌がる
- ・よだれが増える
といった変化があれば、動物病院を受診して歯の状態を確認してもらいましょう。
口腔内の異物
犬が急に口を気にするようになった場合には、口の中の異物にも注意が必要です。
散歩中に草や植物の種などが犬の口に入り込んだり、おもちゃを噛んで破片が刺さったりすることがあります。
異物が歯ぐきや舌、口の奥などに刺さっていると、犬は頻繁に口を気にするようになります。
「犬が急に口を気にし始めた」という場合には、早めに動物病院で確認することが大切です。
口内炎や口腔粘膜の炎症
犬が口を気にする原因には口内炎による口の痛みもあります。
犬の口腔内に炎症が起こると、
- ・口臭が強くなる
- ・よだれが増える
- ・口から出血する
- ・食欲が落ちる
といった症状が見られます。
犬の口内炎の原因はさまざまで、
- ・口の中の傷や異物
- ・感染症
- ・口腔内の腫瘍
- ・全身性の病気(腎臓病など)
などの疾患が代表的です。
犬の口内炎は口の中の問題だけでなく、全身性の疾患の可能性もあるため、犬の身体全体の症状が出ていないかも注意が必要です。
口腔内腫瘍
犬が口を気にする場合、特に注意したい原因のひとつが口腔内腫瘍です。
犬の口の中には、良性・悪性を含めてさまざまな腫瘍が発生することがあります。
口腔内腫瘍で見られる症状は以下のとおりです。
- ・歯ぐきや口の中にできものがある
- ・口の中が腫れている
- ・口臭が急に強くなった
- ・口から出血したりよだれに血が混じる
- ・顔が腫れる
- ・歯がぐらつく
口腔内腫瘍の初期には「少し口を気にしているだけ」という程度のこともありますが、種類によって進行の速さや治療方法が異なります。
そのため、できるだけ早い段階で発見し、正確な診断を受けることが大切です。
皮膚疾患
犬が口を気にする場合、口周りの皮膚の問題の可能性もあります。
口周りはアトピーやアレルギー性皮膚疾患などによって痒みが出やすい場所になります。
犬の口の周りに赤みやかさぶたがあり、口を擦ったり掻いたりするような場合には皮膚疾患が原因かもしれません。

動物病院ではどのような検査をする?
犬が口を気にしている場合には、まずは口の周りや口の中を確認し、
- ・歯
- ・歯ぐき
- ・舌
- ・頬の粘膜
などに異常がないかチェックを受けます。
しかし、犬の口の奥や歯の根元は、意識下では詳しく見ることが難しい場合があるため、必要に応じて鎮静や全身麻酔が実施されます。
また、外から見ただけでは分からない歯の根元や歯を支える骨の状態の確認には、歯科レントゲンが有効です。
犬の口の中に腫瘤やできものがある場合には、細胞診や病理組織検査が行われます。
腫瘍が疑われる際にはCT検査などによって、病変の広がりなどを確認されることもあります。
こんなときは早めに動物病院へ
犬が口を気にしていても、一時的であれば様子を見ても大丈夫な場合もあります。
しかし、次のような症状を伴う場合は早めに動物病院を受診しましょう。
- ・口を気にする状態が続く
- ・口臭が急に強くなった
- ・よだれが増えた
- ・口から出血したりよだれに血が混じる
- ・元気や食欲がない
- ・顔が急に腫れてきた
また、毎日の歯磨きを習慣をつけることで、歯周病の予防になると同時に定期的に口の中を確認することもできます。
愛犬のささいな変化を見逃さないことで、病気の早期発見・早期治療に繋げることができます。

まとめ
犬が口を気にする原因には、口腔内の問題から全身性の疾患までさまざまなものがあります。
犬は痛みを隠す場合もあるため「元気にしているから大丈夫」「ご飯を食べているから問題ない」とは限りません。
愛犬に普段の生活の中で、
- ・以前より口を気にするようになった
- ・食べ方が変わった
- ・食欲が落ちてきた
といった様子が見られた場合は早めに病院を受診しましょう。
当院は歯科診療に力を入れています。
愛犬が口を気にしている場合や、ご自宅でのデンタルケアのご相談までいつでもご来院ください。
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