猫の顎にもニキビができる?|猫ニキビについて解説2026/08/07

猫の顎にもニキビができる?|猫ニキビについて解説
愛猫の顎に黒くぶつぶつしたような変化を見つけたことはありますか?
単純に汚れているようにも見えるこの黒いぶつぶつは、「猫ニキビ」と呼ばれる皮膚疾患である可能性があります。
愛猫に猫ニキビができると、
- どうしてニキビができたの?
- ニキビは放置しても大丈夫?
- どうやってケアしたらいいの?
など飼い主様はたくさんの疑問が浮かんできますよね。
今回はそんな猫ニキビについて詳しく解説します。
愛猫に猫ニキビができて不安な思いをしている飼い主様はぜひ最後まで読んでいただき、猫の皮膚の状態について正しく理解しておきましょう。
猫ニキビとは
猫ニキビは、正式には「ざ瘡(ざそう)」と呼ばれる皮膚病の名前で、猫の皮膚に黒いぶつぶつができた状態です。
この黒いぶつぶつの正体は、皮脂腺に皮脂や汚れが詰まったものです。
皮膚には皮脂を分泌する皮脂腺がたくさん存在しています。
猫の場合は特に顎の下や唇の周りで皮脂の分泌が盛んに行われています。
皮脂腺では、皮膚のバリア機能を維持するために皮脂を分泌するだけでなく、皮脂腺に溜まった汚れや古い角質を排出しています。
この皮脂腺が何らかの理由で詰まってしまうとどうなるのでしょうか?
皮脂腺が詰まると、皮脂や汚れが皮脂腺に溜まっていきます。
この溜まった皮脂や汚れが酸化して黒くなり、ぶつぶつに見えるようになったものが猫ニキビです。
猫ニキビは顎下や口周りに見られることが多く、黒いぶつぶつができたり赤く腫れることもあります。
猫ニキビの原因
猫ニキビはどうしてできてしまうのでしょうか?
猫ニキビは、何か一つの原因により発症するのではなく、さまざまな要因が組み合わさることで発症することが多いです。
ここでは猫ニキビができてしまう要因について解説していきます。
顎の皮膚の衛生状態の悪化
猫は自分の皮膚を清潔に保つために自分自身で体を舐め毛づくろいを行います。
しかし口の周りや顎の皮膚には舌が届きづらく、どうしても毛づくろいがおろそかになってしまいます。
そのため、猫の下顎には食事の食べこぼしやキャットフードに含まれる油が顎に付着したままになりやすいです。
こうした汚れが顎に付着した状態が続くと、毛穴が詰まったり細菌が増殖したりして、猫ニキビが発生しやすくなります。
また、食器を十分に洗っていない場合は、食器の表面で細菌が増えることがあります。
口内炎や歯周病などの口腔内トラブルによってよだれが増えている猫では、顎が汚れやすくなることにも注意が必要です。
ストレスやホルモンバランス
ストレスやホルモンバランスの問題も猫ニキビの発生する要因のひとつです。
強いストレスやホルモン性疾患がある猫は、免疫力や皮膚のバリア機能が低下することがあります。
免疫力や皮膚のバリア機能が低下することで、普段は皮膚に問題なく共生している細菌が急に増殖し始め、猫ニキビの原因となります。
猫にとって、引っ越しなどの環境の変化や同居猫との関係の悪化は大きなストレスです。
また不妊手術や出産などでホルモンバランスが大きく変化するときも、猫ニキビに要注意です。
ニキビダニによる感染
毛包内でニキビダニ感染による炎症が起こると、皮脂の分泌や汚れの排出がうまくいかず、猫ニキビの原因となります。
ニキビダニは毛包虫とも呼ばれ、毛の根元にある毛包内に感染する寄生虫です。
ニキビダニは健康な猫の毛包にも存在しますが、猫がウイルス性疾患などにより免疫力の低下している状況では、皮膚に炎症を起こすことがあります。

猫ニキビによる皮膚の変化
猫ニキビは軽症のまま大きな変化が見られないこともあります。
しかし、原因が解決されず治療が行われないと悪化していくことも多いです。
発生初期の軽症の段階から悪化して重症化した段階まで、重症度別に皮膚の変化をご説明します。
軽症
猫ニキビの初期段階では、顎の下の毛の根元に黒いゴマのようなつぶが付着しているように見えます。
この段階では、皮脂腺に汚れや皮脂が詰まっているだけで炎症や感染などの二次的な変化は起こっていません。
軽症のうちは猫自身も気にしていないことが多く、飼い主様がたまたまスキンシップのときなどに気が付かれることが多いです。
軽症の段階ではニキビが悪化していないか皮膚に赤みが出ていないかなど経過を注意深く観察しましょう。
中等度
皮脂腺に汚れや皮脂が溜まることで細菌感染を引き起こし炎症を起こし始めた状態が中等度に進行した猫ニキビです。
この段階の皮膚には
- 黒いぶつぶつの量が増加する
- 赤くなったり腫れたりする
- 毛が抜ける
などの変化が見られるようになります。
中等度の猫ニキビでは、猫も違和感やかゆみで顎を足で引っ掻いたり床に擦り付けるような様子が見られるようになります。
掻いた刺激によって皮膚に傷ができると、さらに炎症が悪化する可能性があるため注意しましょう。
重症の場合
猫ニキビが悪化して重症化すると、顎の皮膚は赤く腫れ上がり、膿が出たり出血したりするようになります。
炎症による滲出液や血液で毛が濡れたような状態になったり、かさぶたと共に毛が抜けてしまうことも多いです。
皮膚の感染症が深部まで進行すると、皮膚がじゅくじゅくして異臭がすることもあります。
猫自身も強い痛みを感じるようになることがあり、触られると嫌がって怒るようになります。
出血や膿が見られる場合は、自宅で様子を見ず、早めに動物病院を受診しましょう。
猫ニキビの治療
猫ニキビの治療は、重症度によって異なります。
軽症で猫がニキビを気にしていない場合は、清潔に保つことが重要な治療です。
毎食後、ぬるま湯で濡らした清潔な布で顎を拭いてあげて、フードの残りや汚れを除去します。
動物病院では、清潔に保ちやすいよう顎の毛を刈ってしまうこともあります。
黒いつぶつぶをとろうと力任せに擦ったり引っ掻いたりすると、皮膚が傷ついて感染症を引き起こしやすくなるため、必ず優しく拭く程度にしましょう。
汚れやすい環境を改善するために薬用のシャンプーや消毒薬を使用することも有効です。
また、キャットフードのサイズや形状を変更するのも良いかもしれません。
ウェットフードは口周りを汚しやすく、ドライフードも粒のサイズが猫に合っていないと食べこぼしの原因になります。
猫が食べやすい形状のフードに変更したり、食器の洗浄をしっかり行うことも有効です。
猫ニキビが中等度から重症の段階まで進行している場合は、薬を使用することが多いです。
細菌感染を起こしている場合には抗菌薬を、ニキビダニ症になっている場合は駆虫薬を使用します。
猫ニキビの治療には、人間用のニキビの薬は効果は示されていません。
猫の皮膚には良くない場合もあるので、自己判断の治療はせず、必ず動物病院に相談しましょう。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は猫ニキビについて解説しました。
猫ニキビは、早期発見と早期治療が悪化を防ぐために非常に重要な皮膚病です。
「単なる汚れかな」と放置していると、皮膚炎が進行し猫にとって大きなストレスの原因になります。
当院では、猫の皮膚疾患に専門的な知識のある獣医師が、飼い主様と猫にとってベストな治療を提供しています。
「黒いぶつぶつが増えてきた」「皮膚が赤くなってきたかも」と感じたら、お気軽に当院までご相談ください。
大阪府和泉市の動物病院
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